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※ 上記の試聴記事は、前製品「NS phonoEQ」に対するものです。
NS phonoEQ 2 は、MMカートリッジとMCカートリッジの両方に対応し、レコードに収録された情報を余すところなく引き出すことのできる半導体製フォノ・イコライザ・アンプです。日清紡マイクロデバイスのオペアンプIC NL8902 を搭載しています。
入力１系統、出力１系統というシンプルな構成で、MM/MCの切換えは本体前面のスイッチで行ないます。
電源を外部の AC アダプターから供給し、その他にも様々なノイズ軽減策を施すことにより、ハムノイズを大幅に低減しています。その結果として、細かな音楽信号がノイズに埋もれてしまうことがなく、情報量の豊富なイコライジングと増幅を実現できました。CDやSACDを超える滑らかな音質とダイナミックな表現力を備えています。
※アンプの各種仕様は、予告なしに変更することがあります。
AC アダプターの DC プラグを、本体背面の DC ジャックに差し込んでください。
レコードプレーヤーの出力は、フォノアンプ本体背面の「Phono In」入力端子に接続します。
フォノアンプの出力は「Line Out」端子から出ています。プリアンプ等のラインレベル入力端子（CDやTunerやAUXなど）に接続して使用してください。プリアンプの「Phono」入力に接続するのではないことにご注意ください。
レコードプレーヤーのアース線は、フォノアンプ本体背面のアース端子に接続してください。オーディオ機器相互の相性や設置状況によっては、アース線を接続しないほうが良い場合もあります。プリアンプのアース端子とフォノアンプ本体のアース端子を接続するかどうかについても同じです。１つの方針として、実際に音楽を鳴らしたときにハムノイズが気になった場合にのみ、アース線を接続してハムノイズが軽減されるかどうか試してみる、というのが良いかもしれません。
レコードプレーヤーに取り付けたカートリッジのタイプに応じて、フォノアンプ前面パネルの「MM/MC」スイッチを切り換えてください。このスイッチを操作すると、内部のリレースイッチでフォノアンプの増幅度が切り換わります。切換えのときにポップノイズが発生しますので、オーディオシステムの音量を絞った状態で操作してください。
MC昇圧トランスを使用する場合は、フォノアンプをMMモードに設定してご利用ください。
単体フォノアンプ NS phonoEQ 2 では、音質向上とハムノイズ軽減のために、使用パーツやプリント基板設計について次のような工夫を施しています。
現行品のオペアンプをいくつか聴き比べた結果、新たにこのICを標準搭載することにしました。聴き比べの経緯はこちらの記事をご覧ください。
この高級オーディオ用オペアンプは、音楽信号が通る経路にのみFETを使用することで、高音質とリーズナブル価格を両立させています。また、スルーレートが25V/μSと高速なので、情報量を損なわない増幅が可能です。
このオペアンプICを単一電源で動作させることにより、レコードプレーヤーの微小電圧を増幅する際のノイズや歪みを軽減しています。本機の試作の初期段階では一般的な正負2電源で動作させていましたが、これを単一電源に変更したところ、音質が聴感上明らかに向上しました。
正確な RIAA 補正を行なうため、精度 1% の金属皮膜抵抗をCRメーターでさらに選別して使用しています。タクマンのオーディオ用金属皮膜抵抗REYシリーズを採用することで、柔らかな音質を実現できました。
RIAA 補正回路のコンデンサは、小型のメタライズド・ポリエステル・コンデンサを CR メーターで選別して使用しています。コンデンサのサイズが大きいと外来ノイズを拾いやすいため、小型のタイプを採用しました。
入出力部分の直流成分カット用コンデンサには、外来ノイズを避けるための小型化と、情報量を損なわないための大容量化のバランスから、16V耐圧で100μFの電解コンデンサ（ニチコン Fine Gold シリーズ）を採用しました。また、電源部の平滑コンデンサにもニチコン Fine Gold シリーズを使用して音質に配慮しています。
試作の初期段階ではベタ面アースを採用していましたが、アースパターン面が広いとかえって外来ノイズやハムノイズを拾いやすいと考えてそれを廃止したところ、聴感上明らかに音質が向上したため、ベタ面アースなしのパターンを使用しています。
また、信号経路が最短になるような部品配置とパターンの引き回しを行なっています。MM/MCの切換えは、増幅率を決める抵抗を基板上の小信号リレーで切り換えることで実現しています。
アンプ回路のアースは、筐体（ケース）アースに接続していません。つまり、プリント基板と基板上の回路は、筐体に対して電気的に“浮いた状態”です。これは、ベタ面アースを廃止したのと同じく、アンプ回路のアースを筐体アースに接続するとアース部分が非常に広くなり、ハムノイズ等を拾いやすくなると考えての決定です。
これと同じ考えから、RCA 入力端子からプリント基板のアンプ入力への接続にはシールド線を使用せず、細いリード線で配線しています。
組み立てには、明快で透明度が高く、解像度が高いことで定評のある、オヤイデ電気の音響用銀入りハンダ SS-47（無鉛）を使用しました。
NS phonoEQ 2 に標準添付の AC アダプターはスイッチング電源方式です。ノイズを心配なさるお客様のために、トランス式電源の組み立てパーツ・セットをご用意しました。詳しい内容は、こちらをご覧ください。
ちなみに、標準添付のスイッチングACアダプターとトランス式電源の音をじっくり聴き比べてみますと、トランス式のほうが高域の透明感が若干高く、音の表情が少し豊かなように感じられます。
組み立てに必要な工具：
（公開: 2025/8/27）